碧玉の切断

古代人は、どのようにして金属や現在の研磨剤、モーターを使わずに碧玉を劈開・切断し、そして磨き上げたのであろうか?


まず、①碧玉原石、②竹刃、③クロモジ、④火山灰(白砂)、⑤万力を準備する。

※但し、採取した④火山灰(白砂)をそのまま研磨剤として使うことはできない。#180~250の粒子を使用する。弘前在住中田宝篤氏の長年培われてきたアドバイスのもと、竹で切断することに半信半疑ではあったが、硬度6.5~7の硬い碧玉の切断を開始する。

万力に劈開した碧玉を固定する。

研磨剤として火山灰(白砂)を碧玉にかけながら、竹刃で切削。

仕事の合間を縫っての切断だけに、ひたすら切削して56日間、延べ約49時間を費やす。

切断前(上面)

切断前(断面)

切断後(上面)

切断後(断面)※あえて碧玉の下部5分の1を切らずに残す。

美しい切削面...竹刃が碧玉を切るのではなく、研磨剤が碧玉の切削溝幅を狭く擦り減らす。



<碧玉の切断を終えて>

畳一帖分のスペースがあれば切断できるし、白砂の量、竹刃ブレードの厚さ・刃先の調整、切削姿勢とリズム、長い稼働ストロークを総合的に考慮すれば、切断時間を30~40%大幅に短縮できるだろう。石加工の未経験者である私が、時には挫折しそうになり、時には研磨職人の中田氏に励まされ、無事に切断をやり遂げたことに対し感謝するとともに、あらためて古代人の高度な技術力に感嘆せざるを得ない。


自然物ーthe working of nature

「自然物は鉱物界、植物界、動物界の三界に区分される。鉱物は成長する。植物は成長し、生きる。動物は成長し、生き、感覚を持つ」(リンネ著書『自然の体系』1735年)

0コメント

  • 1000 / 1000